ごきげんよう。刺繍作家・英国王立刺繍学校講師の二村エミです。
今回は、英国刺繍を代表する技法のひとつ
Goldwork(ゴールドワーク/金糸刺繍)についてご紹介いたします。
Goldworkは、金属糸を使って刺す刺繍技法で、王室の衣装や教会装飾、軍服などにも用いられてきた英国刺繍の中でも特に華やかな技法です。
現在、インターネットラジオ配信「英国刺繍通信」でもこのGoldworkについてシリーズでお話ししています。
この記事では、次のような内容をご紹介します。
Goldworkの作品

この作品は、英国王立刺繍学校で制作したGoldworkの課題作品です。
Goldworkでは、通常の刺繍のように糸を布に通すのではなく、金糸を布の上に置き、細い糸で留めて模様を作ります。
この技法はコーチング(Couching)と呼ばれています。
写真の葉の部分では、コイル状の金糸を並べて配置し、葉脈の流れと立体感を表現しています。
また、どんぐりの部分では質感の異なる金糸を組み合わせることで
・金属の滑らかな光
・粒状の立体感
といったGoldwork特有の表情を作り出しています。
光の当たり方によって輝きが変わるのも金糸刺繍の魅力です。
Goldworkとは

Goldwork(ゴールドワーク)は金属糸を使って刺す刺繍技法の総称です。
日本語では金糸刺繍とも呼ばれます。
金糸にはさまざまな種類があり
・コイル状の金糸
・平たい金属糸
・撚り金糸
など、それぞれ異なる質感を持っています。
そのためGoldworkは刺繍というよりも、金属を使った装飾工芸とも言える独特の世界を持っています。
英国刺繍とGoldwork
Goldworkは中世ヨーロッパから続く刺繍技法ですが、イギリスでは特に発展しました。
王室の衣装や教会装飾、軍服の刺繍などにも使われ、英国刺繍を象徴する技法として現在まで受け継がれています。
現在でもRoyal School of Needlework(英国王立刺繍学校)では、伝統技法としてGoldworkが教えられています。

ラジオトークの中で話題になった「緑の本」。素晴らしい本なので、Amazonの中古で入手をお勧めします。
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インターネットラジオのご案内
現在、音声配信「英国刺繍通信」では、Goldworkをテーマにしたシリーズを配信しています。
今回の配信では、Royal School of Needlework(英国王立刺繍学校)のスタジオにお勤めの雅子さんをお迎えし、肩の凝らないゆるやかな対談形式のおしゃべりで、素材や技法のほか、Royal School of Needleworkでの実際の授業のお話や、ゴールドワークの魅力についてお伝えしています。
このシリーズではさらに
・次回:Goldworkの歴史
・最終回:英国王室の戴冠式のローブとRSN
についてもお話しする予定です。
ゴールドワークを学んでみたい方へ
ゴールドワークを始めとした英国刺繍の技法については、英国王立刺繍学校で学んだ技法をオンラインで体系的に学んでいただけるオンライン講座でも詳しくご紹介しています。
動画でステップごとに解説しているので、ご自宅でもご自身のペースで学んでいただけます。
英国刺繍の世界をこれからも
インターネットラジオ「英国刺繍通信」では
・英国刺繍の技法
・刺繍の歴史
・留学時代のエピソード
など、英国刺繍の魅力を少しずつお届けしています。
これからもどうぞお楽しみに。
